バブル期には、ある番組のネタにもなっていた。
この時期は、奇妙な人気もあったのだが、箱男は相変わらず、不気味な姿をさらした。
町の人の心をもて遊ぶように、彼は跳梁跋扈したのだ。
ある時などは、まるで事故の予言のようなことをしたと言われている。
「しぬだ、しぬだ」
そう繰り返しながら箱男が、ある公園に立ち尽くしていた。
地獄の底から聞こえるような台詞、異様な雰囲気。
子供を遊ばせているお母さんたちは気味悪がったものの、箱男はそのまま忽然と姿を消してしまう。
「なんなの、あの男」
すると、道路からはみ出した暴走車が公園に突入した。
数人の女性や子供をはねて怪我を負わせたのだ。