他にも「猫人間」の目撃事例はある。
『本当にある「怖い場所」案内』(笠倉出版)によると、1984年岡山県岡山市で夜間、タバコを自販機で購入途中の男性によって目撃された怪物だという。
身長140cm程度の猫の顔をした人間で、背広を着た三毛猫であったらしい。
4人組でちゃんと二足歩行していたというのが興味深い。
ちなみに筆者は同社の編集担当と付き合いがあり、同都市伝説の出所を確認したが、編集プロダクションが集めた独自ネタという事で追跡はできなかった。
どちらにしろ、猫の顔をした人間がいるという噂のモチーフは古くからある。
「化物一代記」(作:伊庭可笑 画:鳥居清長)などの黄表紙(江戸時代に流行した画と文章がセットなった読み物)にも「化猫遊女」という妖怪が出てくる。
これは当時、品川の遊女が化け猫だったという噂が実際にあった事に由来する。
夜中に「化猫遊女」が海老や人間の腕をかじっていたという話がもっともらしく語られたのだ。
これなども「化け猫都市伝説」のルーツとしては興味深い。