最後に、私の知りうる”杉沢村の真相”をここに記しておく。
まず杉沢村は、今も昔も存在しない。というか存在するはずがない。
何故なら、”杉沢村はメデイアによって作られた村”なのだ。
一部青森県にあった”小杉”という地域が杉沢村のモデルとなったという解釈もあるが、本当は情報操作に踊らされた結果、偶然似た廃墟エリアがあっただけの後付結論なのだ。
つまり、政治的に地図から消されたというわけではなく、また小杉が杉沢村という呼称に変じたわけでもない。
実は青森で発生した某大量殺人をもとに創られた、架空の村であるという事である。
この殺人事件の関係者は存命なので、具体的な事件名は伏せるが、数人レベルの殺人事件であり、大量殺人というには憚られる。
つまり、そのような小規模?な大量殺人に、津山事件、横溝正史のエッセンスを加味し、意図的に操作された情報であるのだ。
元々杉沢村伝説は、心霊作家・山岸和彦氏(中岡俊哉氏と仕事を共にした自他共に認める後継者、毎年二見文庫から心霊本を発売している)の「日本の七不思議」の投稿から、マスコミを通じ都市伝説となったのだ。
彼はフジテレビのアンビリバボーの企画・情報収集ブレーンも一時期努めており、番組内での「杉沢村伝説」をブラウン管で全国に広げた一人でもあるのだ。
整理すると、青森の大量殺人(といっても数人程度)をもとに投稿・webサイト・テレビと経過する度に巨大化していった都市伝説であるのだ。
ひょっとすると我々現在人は、村(=生まれ故郷)を捨てた自分の後ろめたさを、杉沢村の殺人犯に重ねていたのかもしれない。
故郷や自然を破壊し、忘却しながら生きていく文明と現代人。
だからこそ「杉沢村」は、人々の心に架空の村として存在し続けたのであろう。
つまり、「杉沢村」を探し廻った我々は、失った自分の故郷を探し続けていたのかもしれない。