また筆者・山口敏太郎が影響を受けた水木しげるの感覚(妖怪アンテナ?)にも物凄いものがある。
「ゲゲゲの鬼太郎」にチンポという妖怪が出てくる。
子供心にも「いくら水木しげるの創作妖怪でも、チンポとかいう名前の妖怪の伝承はないだろう」と高をくくっていた。
だが10数年後 成人した筆者が「柳田国男の未公開資料」を読んでいると、伊豆の妖怪「チンポふり」という記事が掲載されていたのだ。
水木しげるはこの資料を読んでないはずなのだ。本能的に妖怪「チンポふり」を察知していた可能性が高い。
また、熊本県の天草の離島に、筆者・山口敏太郎が地元の人の案内で山を登り、「妖怪油すましの出た現場」に向かっていたときの事。
到着してみると、その場所は水木しげるの妖怪図鑑に掲載された「油すましの出現現場」と酷似していた。
流石、水木しげるは現場を忠実に再現していると感心していると、地元民が驚いたように「おかしいですね、この場所は最近特定されたんですよ」とコメントしたのだ。
つまり、水木しげるは現場取材をして妖怪「油すましの出現現場」を描いたわけではなく、まったくイメージだけで描いたのだ。
これこそ、リアル妖怪アンテナではないだろうか。