アメリカで奇怪な事件が起こった。
ある女性が手紙を出そうと切手を買った。
「さて、切手を貼りましょうかね」
裏の糊の部分を舐め、手紙に貼ったのだが、彼女はその時に、ちょっと舌を切ってしまう。
「あいた、血が出ちゃったわ」
その時はすぐ血も止まった。
ここまでは何気ない日常風景でしかない。
それから数日後、彼女の舌はどんどん腫れてきた。
腫れが引く様子もまったくない。
「おかしいわ、なぜなの?」
病院へ行ったが医者は判で押したかのように同じ事を言う。
「何ら異常は見られない」
これはいったいどういう事だろうか。
取りあえず、炎症止めの薬を出してもらった。
だが、そうこうしているうちに、腫れはますます大きくなり、巨大な瘤を形成してしまった。
現状では、痛くて食事も出来ないようになった。
再び医者へ行くと、こう判断された。
「膿が溜まっているかも知れないから切開しよう」
医者が彼女の舌にメスを入れると、そこから黒い小さな虫が(うじゃうじゃ)と大量に出てきた。
なんとそれは生まれたばかりのゴキブリであった。
彼女の舐めた切手の裏にゴキブリの卵が付いており、舌の中で育っていたのだ。