2008年、お茶の間を衝撃が襲った。
大人向けというコンセプトで作られたグリコのチョコレートシリーズ「OTONA GLICO(オトナグリコ)」の新しいCMがリリースされたのだ。
その内容たるや日本国民を愕然とさせるものであった。
日曜午後6時半という家族団欒を象徴する時間帯に30数年オンエアされている国民的アニメ「サザエさん」の25年後の世界を実写化した作品であったのだ。
CMのキャスティングも凄かった。
36歳自由人のカツオを浅野忠信、ワカメを宮沢りえ、タラちゃんを瑛太、スーパーカーに乗る程成功したイクラちゃんを小栗旬が演じていたのだ。
勿論、長谷川町子の事務所も認めた正式な実写作品であるのだが、これは意外な最終回である。
終わるはずのない物語、ネバーエンディングストーリーであった「サザエさん」は時間が進まないのがその特徴であった。
時間が進むことは物語の終わりを意味している。