シリアスな心理戦が評判となった大ヒット作「デスノート」だが、その原作者の大場つぐみの正体に関しては諸説ある。
一応、集英社からは大場つぐみの正体について「新人漫画家である」という公式発表がなされているが、あまりにも巧みなストーリー展開から判断して、その正体についてはベテラン作家の変身なのではないかという噂が飛び交っているが、全くわからないままである。
こうなると、まるで浮世絵師の写楽の正体探しと一緒になってくる。
筆者・山口敏太郎は、映画版「デスノート・前編」金曜ロードショー上映時のPR番組(金曜日の夕方とその週の夜中に放送)に出演し、「世界各地に残る死神伝承」についての解説を行ったのだが、この番組出演の際にスタッフ達にも原作者である大場氏に関して聞き込みを行ったが、誰も正体を知らなかった。
唯一、筆者はテレビ業界の別ルートから、匿名であるという事を条件に「大場つぐみは男性である」という情報を聞いたが、それも真実なのか確証はない。
この原作者の正体については、インターネットや口承で多くの作家が大場つぐみの正体であると囁かれた。
ミステリー作家の宮部みゆき、京極夏彦、乙一であるという説。
また、古畑任三郎で見事なプロットを公開している脚本家の三谷幸喜という説も唱えられた。
いづれも推理小説に長けている人物を当てはめるのが傾向のようだ。
具体的な証言もある。
長期にわたり関西で人気番組として君臨した、ABCラジオ『誠のサイキック青年団』にて、2006年5月の放送時、北野誠の相方で作家の竹内義和が「大場つぐみの正体は、かなりベテランの大物作家である」と明言した。
この事は少年ジャンプ編集部内においてもトップシークレットであるという。
興味深い話であるが、これは本当なのだろうか。
これは竹内流のジョークではないだろうか。
困惑した筆者は本人に確認したことがある。
2006年の秋、筆者は竹内義和主催「おたくの殿堂のライブ」にゲスト出演したことがある。その時、大場つぐみの正体を質問をしたところ「間違いなく大物作家」との返答を頂いた。
更に、第4回日本オタク大賞にて、オタク評論家として名高い作家の岡田斗司夫や、漫画原作者・ライターの鶴岡法斎の二人は「大場つぐみの正体はガモウひろしである」という説を展開した。
その根拠として、主人公「夜神月」が通っている塾の名称が「蒲生(がもう)ゼミナール」となっている事を根拠にあげている。
また、同様の「ガモウひろし=大場つぐみ」説は、雑誌BUBUKAでも特集記事として記述されたことがある。
お世辞にも画力があるとは言えないガモウひろしが、原作者に転向したという可能性は充分にありうる話である。