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岡田有希子自殺事件の都市伝説

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岡田有希子自殺事件の都市伝説

1986年4月8日、この日、若干18歳のアイドル歌手・岡田有希子がマンションから投身自殺を遂げたことで、日本中に大きな衝撃が走ることになった。
岡田有希子は1984年に日本歌謡大賞をはじめとする各新人賞を受賞。自殺した年には坂本龍一作曲、松田聖子作詞による「くちびるNetwork」を発表しており、オリコン初登場1位の快挙も成し遂げ、非常に大きな注目と期待を寄せられていた新人アイドルであった。
そのため非常に大きな衝撃をもたらせたわけだが、その後岡田有希子の祟りではないかといわれる怪事件があいつぐことになる。
その発端は、1986年5月28日に放送された「夜のヒットスタジオデラックス」の番組内のことであった。
岡田有希子の霊が現れ、中森明菜の横に座って拍手していたというのだ。
さらに、6月9日の「さんまのまんま」でも、目撃情報が囁かれる事になった。
岡田有希子がベットの上で血だらけで笑っていたと言われており、これを目撃した視聴者の電話がテレビ局に殺到する事態となった。
その他にも、6月23日の「歌のトップテン」でも中森明菜の横に座っていたとか、6月26日の「ザ・ベストテン」にも中森明菜の肩のあたりに浮かんでいたとも言われている。
このように、まるで岡田有希子の霊が中森明菜に因縁をもっているかのような形で、テレビに写る事例が数多く見られるようになったのだ。

確かに岡田有希子と中森明菜は年齢も近く交遊があったようだが、具体的な因果関係があったのかどうかは明らかになっていない。
一説によると、中森明菜の近くに岡田有希子の霊が現れたのは、二人の関係性によるものではなく、中森明菜が当時歌っていた曲、「ジプシークイーン」に因縁があるためだと言われている。
この曲の歌詞の内容が、岡田有希子の事件と酷似しているからだというのだ。
「ジプシークイーン」の歌詞を確認してみよう。

百二十五頁で終わった二人
燃える愛の途中でAhすべて
Wine色を染める重い空に嘆き
アスファルトのBedにため息こぼれる

これは「ジプシークイーン」の歌いだしの部分であるが、冒頭の「百二十五頁」は、岡田有希子が投身自殺を図った時刻12時5分と符号しているのだという。
また「燃える愛の途中で」という歌詞も、岡田有希子が無理矢理に仲を裂かれた恋人への想いを表しているのだと言われている。
他にも「wine色を染める」は地面に流れ出た血を、「アスファルトのBed」は飛び降りた際に激突したアスファルトを暗示しているのだという。

岡田有希子に関する噂は他にもある。
彼女の運命は、数字の4に操られていたとも言われているのだ。
デビューが「4月」、自殺したのは「4月」、付き合っていた恋人は「42才」、プロダクションの寮から「4月4日」に引っ越し、新しいマンションが(402号)だったという。
しかも、飛び降りる前日に見た映画は「ロッキー4」であり、死亡した現場の住所が「四ッ谷4丁目」なのだ。
以前に、ジェームス・ディーンやダイアナ妃など不慮の死を遂げた著名人とある特定の数字に奇妙な関連が見いだせることを紹介したが、「夭折した天才アイドル」と言われた岡田有希子にもこうした言説が囁かれているのである。

また、岡田有希子の自殺は、多くの死者を生んだとも言われている。
多くの番組で岡田有希子の霊が側に現れたという中森明菜は、3年後の1989年に自殺未遂を図っている。
岡田有希子が飛び降りた際に、たまたま現場近くにいた新聞社のカメラマンが彼女の遺体を撮影しているのだが、このカメラマンも事件の翌年1987年に死亡してしまう。
さらに、当時岡田有希子の担当マネージャーだった人物も、2000年7月19日に同じ事務所のビル内のトイレにて首吊り自殺している。
また、彼女の死後に少年少女の後追い自殺が全国で何件も起こったことは、ご記憶の方も多いことであろう。
このように岡田有希子の死との関連が囁かれた死者や自殺未遂を起こした人間の数は、多数に登るのである。

こうした様々な噂が飛び交ったことで、岡田有希子は奇異な視点で語られることが多いが、彼女はアイドルになるため、非常に多くの努力を重ねてきた人物であった。
中学3年生の時に「スター誕生」で全国大会に進出しているが、このときは芸能界に進むことを親に大反対されており、芸能界に進む条件として、勉強において非常に高いハードルを科せられることになった。
学年1位の成績や、中学の統一模試で地区で5位以内に入ることなどが条件とされたが、彼女はこうした相当にレベルの高い条件を全てクリアして、芸能界に挑戦する事を許されたのである。
そして、この翌年に「スター誕生」の全国大会で見事チャンピオンとなって芸能界への切符をつかみ、その歌唱力の高さから大きな期待を寄せられることになった。
その後は、冒頭で紹介したとおり、その期待に見合うだけの活躍をした。
彼女は類いまれなる才能とそれを生かすだけの努力を重ねてきた人物だった。
歌手になることを夢見て、そのために多くの努力をしてきた彼女が、その夢を現実のものにしているさなかに、なぜ自殺を遂げるようなことになったのか。
一説には恋人との失恋が関係していたのではないかとも言われているが、その真相は明らかになっていない。
芸能界において、さらなる活躍が見込まれていた新人アイドルが迎えた謎多き死。
そんな輝かしさと影の部分を併せ持つ二面性が多くの都市伝説を生んだのかもしれない。

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