食べ物に纏わる都市伝説は多い。その発端のひとつは「手首ラーメン」であろうか。
これは実際に起こった事件から派生した都市伝説である。
昭和53年7月5日、警察は暴力団員の幹部(当時30歳)を逮捕した。
容疑は同じ組織の兄貴分の殺害であった。
遺体は兵庫と岡山の二ヶ所の山林から発見されたが、腐乱が進行しており、手首が無い状態であった。
警察がこの手首の行方を追及したところ、指の指紋から遺体の身元が判明することを恐れ、両手首を切断し、自分の配下の子分達が運営していた屋台ラーメンでダシをとり、残った骨はかなづちで粉砕したと自供したのだ。
この報道により、都民の中で屋台ラーメンに対する偏見が広がり、業界全体の売り上げが大幅にダウンした。
子分たちは、結局手首ラーメンは一杯も売れなかったと証言しているが、実は販売されたのではないかとマスコミが大騒ぎを展開した。