ほかにも雨情には楽しくもどことなく悲しい歌が多い。この童謡にも哀しい都市伝説が語られた。
「このシャボン玉の歌は魂の歌である。つまり、幼くして死んだ子供の魂がシャボン玉というはかないものに表現されているのだ」
シャボン玉は子供を意味しており、「屋根まで飛んで、壊れて消えた♪」という歌詞は中絶、あるいは子供の死を意味している」
この不気味な都市伝説、実はまんざら嘘ではない。
野口雨情は、この「シャボン玉」という名曲に、幼子の鎮魂の想いを込めている。
ではなぜ野口雨情は子供たちにささげる童謡に悲しみを織り込んだのであろうか。
それは、亡くしてしまった実子への鎮魂歌であったと言われている。
雨情の娘は生れてまもなく亡くなっているのだ。
野口雨情は童謡の歌声を天国にいる娘に届けたかったのだろう。
子を亡くした雨情は天国の娘のために、ただひたすらに童謡を作り続けたのである。
「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで こわれて消えた 風風吹くな シャボン玉飛ばそ♪」
雨情の娘の魂は、シャボン玉になって淡く悲しく消えたのである。