そもそも、アニメ「サザエさん」のエンディングテーマは「笑点」や「ちびまる子ちゃん」のテーマと並び、現代人の心を悩ませてきた。
テレビから流れると、強制的に週末の終わりを実感させられ、翌日からまた始まる会社や学校のことを思い出して憂鬱になる、いわゆる「サザエさん症候群」なる症例が生み出されたのである。
この症候群に、「ザサエさん」都市伝説が広く伝播した理由があるのではないだろうか。
この日曜日の耐え切れない憂鬱さと、テレビ画面に流れる「サザエさん」の永遠に続く平穏な空気のギャップが、「サザエさん」の不気味な最終回伝説を生み出した可能性は高い。
明日から憂鬱な仕事だと思うと、あの予定調和の磯野家の平和を破壊したいという気持ちが芽生えるのかもしれない。
永遠に変わらない「サザエさん」という世界観の破壊願望は、現代人が置かれた自分の環境を打破したいという気持ちの表れではないだろうか。