平成8年2月10日午前8時10分頃、北海道余市町と古平町を結ぶ豊浜トンネル(延長1086m)で悲劇が起こった。
体積約11000立方メートルの巨大な岩盤が崩れ、トンネル内を走行中の車を押し潰したのだ。
国道299号線が走るこのトンネルは交通量も多く、路線バス1台、乗用車2台がトンネル内で犠牲となってしまった。
この惨劇以来、地元ではトンネルの安全性について協議がなされたが、一説にはある神の祟りではないかと囁かれている。
丁度トンネル付近に「セタカムイ岩」という奇岩があるのだが、アイヌ語で犬神という意味であり、漁で遭難した主人を待つうちに犬が岩になったという伝説がある。
噂では、この犬神が付近の開発に対し、怒っていたのではないかと言われている。
犠牲者の冥福を祈ると同時に、自然を破壊せずに自然と共生できる開発をお願いしたいものである。