人気アニメの宿命なのだが、勝手に続編が制作される場合がある。
有名なケースだが、アメリカでは、ドラゴンボールの続編が勝手に作られており、「ドラゴンボールAF」というシリーズがある。
これは商業ベースの作品というよりも同人誌的な作品であり、鳥山明の認可した正式なものではない。
元々はアメリカの「ドラゴンボールファンサイト」である「Daizenshuu EX」が2004年のエイプリルフールに流した「『ドラゴンボールZ』の続編が始まる!!それが新作『ドラゴンボールAF』である」というジョークだったのだが、真に受けるファンが続出し、数々の同人的なイラストやストーリーがネットや同人誌上で広がっていった。
この噂は日本にも伝わり、アメリカには「ドラゴンボール」、「ドラゴンボールZ」、「ドラゴンボールGT」の続編があると都市伝説化していった。
そのうち、「ドラゴンボールAF」のキャラクターの画像やキャラ設定がインターネットにアップされるようになり、ようやく全貌が明らかになりつつある。
どちらにしろ、アニメーションなど動画作品で公開されたものではないようだ。(もっとも、動画作品が存在する事がわかれば、さすがに訴訟の対象となりうるであろう)
この「ドラゴンボールAF」の内容がまた酷い。
正式なシリーズでは、スーパーサイヤ人5までしか能力がアップできないはずなのに、スーパーサイヤ人6が出てきたり、サイヤ人でしかスーパーサイヤ人になれないはずなのに、地球人のクリリンがスーパーサイヤ人になったりと正式作品の設定を無視した展開である。
因みに「ドラゴンボールAF」の「AF」は「After Future」の略であるという説が強いのだが、「April Fool's(エイプリルフール)」或いは「Art by Fan(ファンによる作品)」の略であるという説もある。
後者の二つならかなり笑えるタイトルではないか。
ちなみに続編といえば、「ドラゴンボール」、「ドラゴンボールZ」の正式な続編である「ドラゴンボールGT」にも都市伝説が囁かれている。
それによると「ドラゴンボールGT」の「GT」のもつ意味は、勝手に続編を作ったことに対して「ごめんね!!鳥山先生」という意味が込められているというのだ。
勿論、これはあくまで都市伝説であり、本来の意味は「Great Touring(偉大なる旅路)」、「Galaxy Touring(銀河の旅)」などの意味であり、鳥山明が命名したものであるという。
但し、アメリカで公開された「英語版・ドラゴンボールGT」(FUNimation)は、BGMや最初の16話がカットされており、このバージョンの違いが、「アメリカには、日本とは違うドラゴンボールの続編がある」という風聞を生んだ可能性はある。
とにかく、「ドラゴンボール」はドラゴン=龍という世界共通の幻獣を中核に、七つのボールを集めるというロールプレイングゲーム、ファンタジー小説的な要素が万国の国民に受けた理由だろう。
世界の民族の神話の共通項を抽出し、壮大な物語を作った事が「ドラゴンボール」の成功の秘密だと言えるだろう。