こんな噂が存在する。
猟奇事件の犯人を取り調べる場合、警察は必ず犯人の精神分析を行う。
その分析には、ある形式の心理テストが使用されるらしい。
つまり、このテストにより、犯人の“深層心理”に迫るというわけだ。
あの有名な宮崎勤も・・・酒鬼薔薇も・・・このテストを受けたと言われている。
…と言っても、ありきたりなテストで、いくつかの問いに、順番に答えていくというものである。
大概の人間は、同じような回答をするという。
だが…ある問題に対して、宮崎勤と酒鬼薔薇の二人だけが他とは異なる回答をした。
そして、その二人の回答は一致したという。
大部分の日本国民が、一致する回答を出す問題であったのに…。
それはこのような問題であるという。
ある町にたいそう仲の良い親子が住んでいた。
夫婦二人に子供が二人いる家庭で、いつも幸せそうに暮らしていたという。
しかし、突然不幸は襲ってくる。
夫が、他界してしまったのだ。
絶望の中、妻は涙を流しながらも、葬儀を行った。
だが、その葬儀中に妻は、参列していた見知らぬ男に一目惚れしてしまった。
寝ても覚めても、その男の顔が浮かんできてしまう。
妻は見知らぬ男に恋をしてしまったのだ。
「お父さんが死んだばかりだと言うのに、不謹慎だ」
子供達は自分の母親を批判した。
その後、妻は…子供たちを殺してしまった。
では問題です。
何故妻は子供たちを殺してしまったのでしょうか?
この問題に、普通の国民は
「子供が邪魔になったから」
「子供にいたら再婚できないから」
と答える。
だが、宮崎勤と酒鬼薔薇は違ったという。
彼らの答えは、葬式になればまたあの男に逢えるから…。