四国と中国地方の一部に伝承されている犬神は今も実在し、それを自在に使いこなす一族は今も存在するという。
果たして、21世紀の現在、犬神は存在するのであろうか。
筆者・山口敏太郎は、四国・徳島県で高校まで過ごし、大学時代から親の転勤という条件もあり千葉に移住した。
そんなわけで千葉在住となってから、既に20年(途中、大学に通うため4年、仕事の関係で茨城に半年下宿しているが)を越えた。
こうして、様々な街に住んでみると、四国はやはり異質な空間であったといえる。
表面上はごく普通の現代日本であるのだが、やはり根底に流れるものは違うように思える。
普通現代でこんな事を気にする人はいないのだが、四国にいるときにこんな事があった。
私がある旧家の子供と遊んでいるときに、何か白い棺桶のようなものを燃やす怪しい集団と出くわし「関西から来た余所者の子供だ」と言われ、追いかけられた事がある。
何かやばいものでも見てしまったのであろうか。
兎に角、35年程前の四国は、江戸時代の文化・恨みが身近に残る土地柄であったことは事実である。