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狐の舌

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狐の舌

横浜の戸部町の近隣、今で言う○丁目に酒屋があったという。
その酒屋に一人の小僧が勤めていた。
大層勤勉な小僧であり、店の者も絶大なる信頼を寄せていた。
ある時、小僧は主人の御用で余所に使いに行った。
その帰りの出来事である。
道すがら、ふと見ると一匹の母狐が子狐に乳を与えている。
しかも、日頃は注意深い狐が、うまいぐあいに油断しているようだ。
「ははぁぁん、ちょいと脅かしてやるか」
いたずら心を起こした小僧は石を投げてみた。
「ほうら、これでもどうだ?」
すると石は母狐に当たり、怪我をして逃げてしまった。
あとは幼気な子狐のみ残される形になった。
人間の前で怯えて震える子狐。
「これはいい土産ができたな」
すかさず小僧は子狐を捕まえると 店に持ち帰った。

店では、小僧のとんだ土産物に驚いたが、
「これはおいしいそうだ」
とそのまま、皆で子狐を狐汁にして食ってしまった。
なおこの子狐を解体する際、狐の舌は福の神なのでそのまま切り取り、干物にしたのだと言われている。
その後、何故か、酒屋の商売は突如として廃れてしまった。
店は相当に繁盛していたのだが、客足がぱったりと途絶えてしまったのだ。
そして失意のまま、酒屋の主人も死んでしまう。
「これは、何かの祟りではないのか」
残された遺族は、法華の行者に祈祷を依頼した。
すると行者は、こんな託宣を述べた。
「子狐の祟りである」
恐ろしくなった酒屋の一家は、しまってあった狐の舌を岩亀横町の鬼子母神内に稲荷として奉った。
以来 祟りはないと聞いている。

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