工場に石の雨が降り、大入道や三つ目小僧などが出るようになったのだ。
このままでは操業できないと感じた少佐は、至急部下たちを調べた。
すると4、5人の者が鉄管の中で寝ていた狸3匹を殺していたのだ。
なお現在の王子稲荷には、狐の穴と呼ばれる穴があり、往時の化け狐たちを偲ぶことができるが、この王子稲荷を有名にしたのは、名人と呼ばれた落語家柳家小さんであった。
小さんの十八番に「王子の狐」という話がある。扇屋というお店を舞台に狐が暴れる、江戸風情のある話である。
この扇屋は今も現存している。
今は扇屋ビルという立派なビルになっているのだが、2005年の暮には山口敏太郎事務所でこのビルにある飲み屋で打ち上げをした。
したたかに呑んだものだったが、ついぞ化け狐は現れなかった。