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死神神社

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死神神社

神々を祀り、祭事や祈祷などが行われる神社だが、その中には負の力を持つものもあると言われている。
そんな恐ろしい神社のひとつにあげられるのが、以前「恐い話」で紹介した、千葉県船橋市にあるダルマ神社である。
この神社では生首が浮遊しているところを目撃されるなど、数々の怪異が目撃されており、地元では有名な心霊スポットとなっている場所である。
そうした怪異以外にもこの神社にはある噂が存在する。
恨みに思う人間を呪うことが出来るのだという。
ダルマ神社はその名の通り、境内にある祠に小さなダルマが祀られており、このダルマがご神体だと言われている。
恨みを持つ人間がこのダルマに傷をつけ、呪いの言葉を口にすると憎しみを抱く相手に災いが降り掛かるというのだ。
筆者は当地に何度か訪れ、ロケなどを行っているが、その際に深夜にも関わらず聞こえるはずの無い声が聞こえてきたり、収録中に足音が聞こえてくるという怪異が起きている。
足音が聞こえた際には、撮影隊以外には誰もいないという確信があったため、スタッフと共にその場所に行ってみたのだが、スタッフの中に足を掴まれたり、体調不良になる者が出るなど、奇妙な現象が立て続けに起きてしまった。
気軽に訪れることは決しておすすめしない場所である。

神社には「縁結びの神社」と呼ばれ、良縁を取り持つと言われる神社が数多く存在するが、これとは逆に人との縁を断ち切る「縁切り神社」も存在する。
京都、祇園にある安井金刀比羅宮はそんな縁切り神社の一つである。
境内には絵馬の形をした穴が開いた巨石があり、ここに縁切りの願いを書いたお札を貼ると、その人物との縁を切ることが出来るという。
この神社が祀るのは崇徳上皇である。以前紹介したように、崇徳上皇は悲運の生涯をおくり、深い恨みを抱いたために魔王に零落したと言われる人物であった。
戦乱の際に、寵妃と別れざるを得ない境遇を辿ったことから、男女の悪縁を断ち切り、良縁をもたらすと考えられているようだ。
そのため、ここでは縁切りだけでなく縁結びの願いも叶うとされている。
前述した巨石には双方の願いが込められたお札が貼られているのだが、その量たるや凄まじく、巨石を覆い隠すほどになっており、中にはかなり生々しい内容のものもあるという。
出会いや別れといった人間関係の悩みは尽きないことを痛感させられる神社である。

都市伝説では人の縁ではなく、人の命そのものを断ち切ってしまう神社もあると語られている。
その神社は「死神神社」と呼ばれており、死神に人間の殺害を依頼することができるのだという。
京都某所にあると言われているのだが、その神社の絵馬は他と異なり、逆さに吊るされている。
この逆さ絵馬に商売敵や政敵、恋敵の名前を記すと、その人物を死にいたらしめることが出来るというのだ。
また、名前と共に日付などを記しておくと、その日が命日になると言われている。
実際に亡くなった有名人の名前が書かれた逆さ絵馬もあるとされており、そこに書かれた日付と実際の命日も符合するという。
なんとも恐ろしい話だが、筆者はこの都市伝説には元ネタがあると推測している。
それは、暗殺を請け負う「仕事人」を描いた時代劇「必殺シリーズ」である。
このドラマの第28弾にあたる『必殺仕事人V・風雲龍虎編』では、仕事人への依頼方法が一風変わっていた。
夜叉堂というお堂において、赤絵馬に相手の名前を書いて吊るすと仕事が請け負われるというものであった。
昭和のドラマやアニメ、漫画が都市伝説化する例は多い。このシーンが姿を変えて都市伝説化したものではないだろうか。

逆さ絵馬が用いられていることからも、「死神神社」はいかにも都市伝説らしい話のように思える。
だが驚くべきことに、このような願った相手を呪い殺す力を持つ神社は実在すると言われている。
ある情報によると、その神社は福岡県下にある某神社(名前は伏せさせていただく)で、数多くの呪いの絵馬が吊り下がる、知る人ぞ知る魔所になっているという。
だが、この神社は絵馬に願い事を書くと、確実にその願い事が実現するというパワースポットとも呼ぶべき場所であり、本来は魔所と呼ばれる場所でない。
では、なぜ魔所と呼ばれるようになったのか。
通常の神社では、邪な願望や呪いの言葉などが記された絵馬は撤去されるのだが、この神社ではそれら呪いの言葉が書かれた絵馬も撤去せず、実現させてしまうためだと言われている。
そして、密かにその話が広まると、他人を呪い殺したいと願う、禍々しい絵馬に埋め尽くされるようになったというのだ。
どんな願いも叶うとされる場所に奉納される大量の呪いの絵馬。
なんとも暗い人間の業を感じさせる話である。
このように、利己的な願望を叶えてくれるとされる神社は、日本各地に数多く存在しているが、それは自らの手を汚さずに恨みを晴らしてもらおうとする、人の弱さを司るものでもあるだろう。
だが、呪いなど軽々しく行うべきものではない。
古来から「人を呪わば穴二つ」と言われるように、呪いはそれを願った人間にもふりかかるものだからである。

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